練馬城址公園の親水施設について
代表の岡田です。
去る令和7年6月4日、東京都公園緑地部さんによる練馬城址公園のワークショップのまとめが公開されました。これは1月に現地見学会、2月にワークショップが行われたものの結果であり、岡田・早川は別件で練馬城址公園に関わりがある事もあってワークショップに地元区民として参加し、意見を述べてきました。
練馬城址公園は石神井川が中央に流れている事や、そもそもとしまえんが当初は石神井川の清流を楽しむ施設であった事、としまえんのプールの代わりとなる水遊び施設への需要が高いことなどから親水施設が作られることを願い、これまでもパブリックコメントやオープンハウスで意見を提出してきました。
親水施設といえば南田中団地の緩傾斜護岸が最も想像しやすいですが、練馬城址公園は
- 北側は防災公園として広場を確保する必要があり、またスタジオツアーの建物が既に川のギリギリまで建てられている
- 南側は石神井川の崖線に面している
- 練馬城址公園付近の石神井川は南田中よりもさらに掘り下げられていること
などが課題となっていました。
そこで、今回のワークショップでは北区にある音無もみじ緑地のようなワンド型の施設を提案しました。これは川に隣接する形で止水域(水がたまった場所)を作り、その周囲だけ掘り下げる形式のもので、実際に全景の写真を印刷して説明し、20~30m四方あれば作れるので公園全体ではなく一部利用すれば設置できると伝えました。
音無もみじ緑地全景(岡田撮影)
ワンド型施設の設置は生物の生息域としても非常に意味があります。というのも、今の石神井川は川に接続している池や田んぼがほとんど無いため雨が降った時に魚が流されてしまう作りになっているだけでなく、穏やかな流れを好む生き物にとって住みにくい環境になっていますが、こういった水がたまった場所が少しでも増えれば魚の逃げ場になったり穏やかな流れを好む生き物が増えたりする可能性があるのです。
実際に、石神井川流域の自治体の集まりである「石神井川流域協議会」の「令和元年度事業報告書」では、音無もみじ緑地について下記のように書いています。
平成6年に完成した音無もみじ緑地(ワンド)は、川の増水時には魚の避難場所となっており、ワンドの中央には水生植物などが繁茂しているので、水生生物の生育環境としては良い状況になっています。この音無もみじ緑地はコンクリート護岸を切り開いて、入り江を作り、緩傾斜にして川面に降りられるようになっているので、区民の憩いの場所としても利用されています。
また、北区の生物調査でもこのもみじ緑地のワンドでは、モツゴやキンブナ、ドジョウなど、石神井川本流ではあまり見られない生き物の生息が確認されています。
その結果、ワークショップのまとめでは南側未開園エリアの西部にワンド形状の「石神井川沿い親水空間の整備」という文言が盛り込まれました。
河川の整備は公園緑地部ではなく河川部の管轄で、部署を乗り越えてこれを実現するにはまだまだ大きな課題がありますが、これは非常に大きな一歩だと思います。
まとめていただいた公園緑地部さんに感謝しています。
練馬城址公園が自然環境や自然との触れ合い空間としても素晴らしい場所になる事を祈っています。そのうえで、ねりまジュニアレンジャーとしてやれる事はやっていきたいと思っています。
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